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Selfishly

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6月


★『 6月 じめじめするんだけど 』

司令官の部屋を辞退して自分の執務室に歩を急がせていた。
出来れば今は時間が取られるような面倒な事は極力したくなかったロイだが、
自分に好意的な上司のお呼びとあれば、それも なかなか無下にはできない。
若くして出世を続けているロイにとって、
軍の上層部にロイに好意的な上司など、まれである人物である。
ロイの現在の上司は、定年を控え 現在 仕事に精を出すと言うより
若手の有能は部下に全権を任せて、本人は いたくのんびりと
定年までの日々を満喫していた。
ロイにとっては、やりやすい上司であり 好々爺のこの上司が嫌いではなかった。
普段なら、お呼びがあって チェスの相手をしながらの世間話に付き合うのも
「息抜き」とばかりに気にもならないのだが、
今の時期、気になる事を抱えているロイにとっては
お相手する間も気もそぞろで、今日の勝負は連敗続きだった。
いつもなら、2回に1回は勝つ彼の連敗に
「今日は 珍しいね。」と上司に笑われるはめになった。

そんなロイの現在、もっとも「気にかかる事柄」と言えば、
現在、情報収集に戻っている 鋼の錬金術師の事だ。
ロイが昨今、熱心に取り組んでいる事は、
たまの気まぐれで ふらりと戻ってくる彼らに、なにくれとなく構う時間を
優先して捻出する事で、彼らが ここイーストシティーに居るときの大半は
よほどの事件や せっぱつまった仕事が山積みでない限り
可能な時間を彼らの為に空けるようにしている。
構われている彼らにしてみては、「迷惑」なその事は、
特に 兄のほうには、「うざい」と言われそうだが・・・。
ロイにとっては、保護者が構って当たり前だと思っている。
そして、彼らが旅立てば 空いてしまった時間を持て余して、
思い出したように 美しい御婦人達を相手にして、
次に彼らが帰るまでの時間をつぶしている。

「ダメだって言ってるだろう!」
廊下に突然響いた凛とした声に ふと足を止めた。
「で、でも兄さん・・・。」
その後に、控えめな優しそうな声が 声小さく返事を返そうとしている。
「でもも こうもない! もと居た所に戻してこい。」
声が聞こえる方向に近づいて見てみると、
踊り場になっている端に、予想した二人組みが何やらもめている。
「けど、今日は天気も悪くなって雨も降りそうだし、
  かわいそうだよ。今日1日位は・・・。」
大きな厳つい鎧の身体に、大事そうに小さな生き物を抱えている
アルフォンスの姿が見える。
「アル! 何度も言わせるな。戻して来い。」
決して声は大きくないが、意志を変えないという強さをうかがわせる口調で
兄の方が言い切ると、鎧の肩を落として その言葉にうなずいた。
「ゴメン・・・。戻してくる。」
しょんぼりと足を反して立ち去る その背中に、
「アル、俺は今日は調べ物に時間がかかるから、
戻るのが遅くなっても気にするなよ。」と兄が声をかけた。
その言葉に、思わず身体を半分向けるようにして兄を見て、
「えっ・・・? ・・・あっ、兄さん ありがとう!」と
嬉しそうな声音で返事をかえして立ち去って行った。
彼は 今から、その小さな生き物を託せる所を探しに行くのだろう。
去っていく 弟の姿を見ている兄の表情は、ロイの立っている場所からは
よく見えることが出来た。
そして その表情にロイは「はっ」となる。
立ち去った姿を見つめる その表情は、まるで自分が痛みを受けて我慢しているように、
瞳に痛みを浮かべて、唇を噛み締めて 今にもその稀有な金の瞳から
透明な雫をこぼしそうな。
その表情は、見ているロイの胸の中に鈍い痛みを与える。
その痛みは、先月に無茶ばかりをする鋼を叱った時に彼が浮かべた
泣き笑いの表情を見た時と同様の痛みだ。
普段の彼は、笑ったり怒ったりと色々な表情を くるくると忙しく浮かべて
楽しませてくれるが、そんな時に浮かべる表情とは違う、
素の彼の心の中を現した表情だった。
・・・多分、本人は気づいてはいないが・・・。

そして、そんな表情を一瞬にして消し 何事もなかったような平素の顔に
戻って振り返ったときに、目に入ったロイの姿に一瞬「まずい」と
思った表情を浮かべたが、気を取り直したように いつもの不遜な笑顔を
向けて ロイに声をかけてきた。
「よぉ大佐。 また逃げてきたのかよ。」
「失礼な。 今は司令官殿の所からの帰りだよ。」
今 見た情景は気づかなかった風にさりげなく鋼の軽口に
いつもどうり言葉を返していく。
「そういう君は、今から文献調べかね?」
閲覧許可書の要る文献調べには、どうせ大佐の執務室まで来なくてはならない。
同じ場所に行くので 二人は連れ立って執務室まで歩いていく。
大佐と少佐の有名な二人組みが歩いていくと、
すれ違う二人に敬礼を行いながら挨拶をする人々を横目に見ながら歩くと
ほどなく 大佐の執務室に着いた。

「んじゃ、許可書ちょうだい。」
入るや否や 手の平を広げて催促する彼に、軽くため息をつきながらも
用意していた許可書を渡してやる。
「まったく君は。 それがお願いする者の態度かね。」
「へぇへぇ、申し訳ありませんねー。 では、許可書を有難く頂いて参ります!っと。」全く申し訳なく思ってもなさそうな返事を返しながら、
もう用は無いとばかりに扉に向かって歩いていく。
「あぁ、鋼の。 夕食までには切り上げてくるように。」
かけられた声にはたっと止まり、扉に手をかけながら顔を向ける。
「いいけど・・・、まじ今日も行くわけ?
 今、司令部って そんなに暇なのかよ?」
「暇なのではない、私が優秀なだけだ。」
部下達に聞かれたら、複雑そうな顔をされそうな言葉を
自慢げに言い聞かす。
「まぁ、俺は おごってもらえるから良いけど。
 んじゃー、行くわ。」
「ああ、今日は私が迎えに行かなくても良いようにしてくれたまえよ。」
やる気なく、背中越しに ヒラヒラと手を振って出て行く彼に
『多分、無理だろうな』とは思いながらも声をかけた。
エドが 戻ってきた日から、毎日とは さすがにいかないが、
都合がつく限りは、ここ最近夕食は一緒に食べている。
エドから進んでというわけでなく、
本に噛り付いている彼を、仕事を終えた大佐が強引に本から引き離すようにして。

やはり、時間を忘れて本にしがみついているエドを
「時間だ」と強引に連れて夕食に行く事になったが。
「あぁ~、上手かったー。」と
満足と顔に書かれた表情を浮かべるエドを見て、
嬉しい気分で店をでる。
「おや。」
外に出てみると、いつの間に降り出したのか
大粒の雨が ぽつぽつと落ちてきていた。
「あちゃ~、降り出しちゃったか。」
まぁ、仕方ないかと肩をすくめて外を見ていたエドワード。
6月のこの時季、雨に濡れても 別に寒さに困るわけでもない。
「んじゃ、ごちそうさん。帰るな。」と降り出した雨にためらいもなく
外に出て行こうとする。
「待ちたまえ。 ここから宿まで、そのまま帰るつもりかね?」
出て行こうとした肩を引き止めて、驚いたようにロイが声をかけた。
「君の宿までは、ここからでは結構距離があるだろう。」
「まぁ、別にいいさ。 帰って着替えれば済むし。」
「そんなわけには行かないよ。
 ここからなら、私の家の方が近い。
 家まで来れば、傘も貸せるんで寄って行きなさい。」
さぁ、とばかりに背を促されて出て行こうとするロイに驚いて、
「えぇ! 別にいいよ。わざわざ、傘なんか貸してもらわなくても。」
とためらうエドワードを いいから、さぁと強引に連れ出して
自宅までの道を足早に向かう。

が、ロイの家に着いたときには 本降りになった雨が
今更、傘を貸してもらっても仕方が無い位に二人を濡らしていた。
「でぇー! やっぱり宿に帰ればよかったー。」
金髪からも ぼとぼとと雫を零しながら悲鳴を上げているエドワードに
「傘の前に、とにかく着替えだな。 」
エドワード同様に雫を振り落とすように、頭を振りながらロイが
エドワードの手を引いて家の中に入っていく。
「ちょ、ちょっと大佐。」
手を引かれて慌てた様にしているエドワードを気にも止めず、
「服を乾かす間に、ついでに身体を温めておきなさい。
 着替えを用意しておくから。」と強引に連れて行った先は風呂場だった。
ゆっくりと温まってくるようにと念をおされて
浴室に押し込まれたエドは、まぁ しょうがないかと
濡れた服を、ついでに洗濯をしておけばいいとロイに言われて示された
洗濯機に放り込んでボタンをおした。
温度を調整してシャワーを浴びると、
さすがに初夏の時期に近づいているとは言え、
まだ雨が降ると肌寒く感じるこの時季の為か、
「ホォー」と思わず息をついでシャワーに身を浸した。

「鋼の。 ここに着替えをおいておくよ。」
暖気で曇るガラスの向こうから、大佐の声が聞こえる。
「あぁ、サンキュー。ありがとう。」
「出たら、リビングの方においで。
 何か飲み物を用意しておく。
 リビングは、出た廊下をまっすぐ行った左だ。」
「わかったー。」と声をかけて出て行く姿に素直に返事を返す。
ロイはといえば、自分は濡れて重くなった軍服の上着を
水滴が溜まるのも気にせずに、キッチンの椅子に脱いで置くだけで、
やれ鋼の着替えだとか、飲み物だとかを準備していた。

暖かな紅茶の準備を終えた頃に、キッチンと繋ぎに併設されているリビングから
シャワーを浴び終わったのだろうエドワードの声が聞こえてきた。
「大佐~?」
「あぁ、すぐに行く。
 ソファーにかけといてくれ。」
トレーをもってリビングに入ると、まだよく拭いていないのが解る濡れた髪のまま、
首にタオルをかけたまま、物珍しそうにキョロキョロ首を動かせている
エドワードの姿が目に入った。
「ちゃんと、温もったかね?。」
エドワードの前に紅茶を置いてやりながら聞いてみた。
「うん、ありがとう。助かったよ。」
温かい紅茶に手を伸ばしながら、素直に返事を返す。
エドワードの、こんな素直な態度は なんだか不思議でもあり、
嬉しくもなるロイである。
「上手い・・・。」一口飲んで、思わずと言った風にエドワードがつぶやいた。
「気に入ってもらえてよかったよ。」
自分もエドワードの横に立ったまま、カップに手を伸ばそうとしていたロイが
嬉しそうに返事を返した。
ふと カップに手を伸ばしてエドワードに近づくと、
雫を零すエドワードの髪が気になった。
「鋼の。髪をきちんと拭かないと風邪をひくよ。」
そう言いながら、自然に エドワードの首にかかっていたタオルを取り
エドワードの髪を拭き出した。
「た、大佐!いいよ! 俺、自分で拭くから。」
ロイの突然の行動に 驚いたエドワードが手を避けるように
身体をずらそうとした。
「自分でやらなかったから この有様なんだろう?
 いいから、黙って拭かれていなさい。」
逃げようと動く頭を しっかりと掴んで固定し、
ゆっくりと優しく金髪を拭き始めた。
他人に髪を拭かれているという、あまり経験した事が無い状況に
気恥ずかしいやら、困惑するような気分になったが、
動揺をさとられたくなくて、軽口をたたく事で気分を変えてみる。
「なんだよ、大佐 やたらと手馴れてるよな。
 ここに連れ込んだ女性に、いつもやってやってるのかよ。」
「・・・。」
「大佐??」
いつものごとく、嫌味な言葉か 気障ったらしいセリフの1つでも
帰って来るかと思っていたエドワードだが、
はたっと拭く手も止めて、黙っている大佐に首を傾げた。
「・・・いや。ここには女性は入れない事にしているし、
 髪を拭いた事もないな・・・。」
気づかなかったと思っているのが ありありとわかる様な
ためらいがちな返事を返し、思い出したように手を動かし始めた。
「へっ? あぁ・・・そうなんだ。」
じゃぁ、何でだ?とは思ったが 何となく聞き返せない気がして
思わず黙ってしまった。
会話が途切れると、丁寧に一房一房を拭いていくロイの手に意識が
集中してしまい、なんだか居ても立ってもいられない気分になった。
エドワードの髪も あらかた水気をふき取られ
洗いあがったばかりの さらさらのクセのない触り心地の良い感触を
取り戻した。
拭くのを止めるのを名残惜しそうに、拭きあがった髪を手櫛で
整えてやる。
「君の髪は、本当に綺麗だな。」ぽそっとつぶやかれた言葉が耳に入り、
思わず エドワードの顔がほててってしまったのは仕方が無い。
今のセリフは、まるで くどいている女性を褒めている時に
吐かれる様な、優しい甘さを含んでいたのだから、
そういう方面に疎い エドワードでも、
今のロイが、なんだか普段とは違うのに、
変な気分にさせられてしまう。

ついっと髪に指を入れられた拍子に、地肌にロイの指を感じた。
「冷たい!」
思わず驚く声をエドワードが出した。
「大佐! あんた、自分は!?
 そういや、まだ濡れた服もぬいでないじゃないかよ。
 あんたの方こそ、早く風呂入って 身体を温めるのが先じゃないか!」
今までの どこか甘い雰囲気を漂わせていたムードが
跡形もなく消え去り、早く早くとエドワードにせかせれて
浴室に追い立てられた。
頭から、 暖かな湯気が出るシャワーを浴びながら
さっきの自分の行動に、自分自身おかしいな?と思いながらも
深く考えずに、手早くシャワーを済ませて、
エドワードの待っているリビングへ戻って行った。

そこには、先ほど出した紅茶をきちんと片付けて
神妙な顔をして座っているエドワードが居た。
「鋼の?」
こちらは、自分できちんと髪を拭きながら
そんなエドワードに声をかけてみた。
「なぁ、大佐。 この家って雨漏りでもするのか?」
「雨漏り?」
急に思いもつかないような事を問われて、何故?と目線で
聞き返すと、
「だって この部屋。なんだか湿気ってじめじめしてるし、
 あれって 染みだよな?」
エドワードが上を仰いで見ている所をみていると、
天井1面に、大きく染みが広がっている。
しかも、先ほどまでは エドワードの事しか目に入らなかったから
見えてなかったが、
壁の柱には 水滴が跡になって流れている。
「えぇ! 何だこれは? 今まで 雨漏りなぞした事もないし、
 するほど古くない!
 この上と言えば、私の寝室だが・・・。」はっと何かを思いついたように
顔を上げて、2階に孟ダッシュをして駆け上がる。
何事かあったのか?とつられてエドワードも
ロイの後をおって駆け上がる。

先に扉についたロイが、部屋に入るやいなや悲鳴を上げる。
「わぁー! これは何だー!」
何があったのかと、部屋を覗きこんだエドワードも
部屋の有様に唖然とする。
「大佐・・・。」
部屋は床じゅうに、どこからか流れ出ている湯水で水浸しになって浸水している。
そのせいか、部屋はむっとする程の湿気だ。
さきに冷静に戻ったのは、ボォーとして惨状を眺めている家主ではなく
招待されている客のエドワードであった。
「大佐! 風呂場は? ここにも風呂場があるのか?」
矢継ぎ早に聞いてくるエドワードに はっと気を取り戻し、
「そ、そうだ! 風呂の水を止めないと。」と
惨状の原因を確認しに行く。
エドワードの予想どうり、溢れかえった風呂の水が
浴室から部屋まで流れ出ていた。
その後は、早く水を止めろだの、先に浴室の栓を抜けだの
雑巾、いやタオルかシーツ~!と二人で後始末に
走りまわる騒動。

なんとか流れ出る水は止めはしたが、
部屋を湿らす、水浸しまではタオルで拭き取る位では
どうにもなりそうになかった。
「仕方がない。蒸発させるか。」やれやれとため息をつきながら、
発火布を取りに行こうとするロイに、
「ちょっと大佐。 こんなけの水を、狭い室内で蒸発させるのは
 危ないぜ。 
 仕方ないから 俺が助けてやるよ。」とよいしょとばかりに
両手を打ち鳴らして、床に手をつけた。
見慣れた練成の光りが あたりを照らしたかと思うと、
「ドォー」っと風呂場の方で水音が響いた。
「ほい、これで風呂を借りた礼は返したぜ。等価交換な。」と
にやりと笑って立ち上がった。
「水を分離して流したのか。」
あごに手をあてて、エドワードの見事な対処にうなずきながら感心を
する。
「ああ、こんだけの水は 分離させてもよけれる所がいるからな。
 ここに浴室がついてて良かったぜ。」
とっさに これだけの練成をたやすく出来るエドワードに
「末が頼もしいな。」と密かに心に浮かべながら礼をいう。
「すまなかった。ありがとう。」
「いいさ。大佐の意外な おっちょこちょいな面も見れて面白かったから
 許してやるよ。」
くくくっと笑いながらいうエドワードに、
朝は急いでたんだ、君が許可書・許可書と毎日飛び込んでくるからとか
ぶつくさと言い訳しているロイの姿に、
抑えていた笑い声が いっきに大きくなった。
「あっはははー! 部屋を見た時にあんたの表情ー。
 思い出すと・・・く・苦しいー。」
腹を抱えて笑い転げるエドワードに、さすがに反論も出来ずに
「全く 君ときたら・・・。」と気まずげに、少し不貞腐れたように
顔を背けた。

「じゃあ、傘借りていくな。」
「あぁ、返すのは明日顔を出した時にでも持ってきてくれたまえ。」
小降りになったうちにと帰るエドワードを
玄関まで見送りながら声をかける。
「オッケー、わかった。
じゃぁ、明日も許可書もらいに行くけど、風呂は止めて出ろよ。」
また、笑い転げそうになるのを我慢して くくくっと肩を震わせて笑う
エドワードに、仕返しをしてやりたい気分になり、
ついっとエドワードの耳に顔を近づけて、
「鋼のも、髪の毛が拭けない時は 私に言いなさい。
 いつでも拭いてあげよう。」と甘ったるい声でエドワードの耳に
ささやいた。
余りに近くでささやかれたせいで、バッと身を離して
ささやかれた方の耳を手の平で押さえて、顔をまっかに怒鳴り返す。
「耳の傍で話すなよ!気持ち悪いだろ。」
ふんっとばかりに顔を背けて、足早に去って行く。
自分の声の威力をわかっているロイは、エドの予想どうりの反応に
気をよくして笑顔を浮かべた。
小さくなっていく姿を見続けながら、また機会を作って、あの髪に
触れる理由を欲しいと願いながら。
今まで、誰にも思ったこともなかった願いではあったが・・・、
願っている本人は、それには気づかないまま。









 













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